役員報酬はその金額だけでなく、税務処理においても特別なルールが適用されます。正しい処理をしなければ法人税の負担が増えることもあるため、実務上の注意点を確認することが不可欠です。
損金算入される役員報酬の条件とは
法人税の計算上、役員報酬が損金に算入されるためには一定の条件を満たす必要があります。主に「定期同額給与」と「事前確定届出給与」のいずれかに該当していることが前提となります。
定期同額給与とは、月々一定額が継続して支払われる報酬であり、期中に金額を変更すると損金不算入となるリスクがあります。一方で、事前確定届出給与は、あらかじめ支給時期と金額を届け出ておくことにより、賞与なども損金算入が可能となる制度です。
注意すべき申告手続きと期日の厳守
事前確定届出給与を用いる場合、株主総会などでの報酬決定後、1カ月以内に税務署へ所定の届出を行う必要があります。この期限を過ぎると、その報酬は損金として認められなくなり、会社にとって大きな税務上の損失となる可能性があります。
また、報酬額を変更する場合には、事業年度開始から3カ月以内でなければならないという制限があるため、年度の開始前から計画的に報酬額を決定することが求められます。