役員報酬の金額を決める際、重要となるのが「利益とのバランス」です。報酬を多くすれば生活は安定しますが、会社経営の持続性を損なう恐れもあります。
役員報酬の金額が会社財務に与える影響
役員報酬は法人の損金として扱える一方、利益が過剰に圧縮されると将来的な資金繰りに支障が出る可能性があります。
とくに中小企業では、現預金の残高や返済計画、設備投資などの経営計画と照らし合わせながら報酬額を決定することが求められます。適正水準を超える報酬設定は、短期的には経営者にとって有利でも、中長期的には事業の発展を妨げるリスクにもなります。
経営計画に沿った報酬の見直しと調整
役員報酬は一度決定したら固定されるわけではありません。年度ごとに決算状況や経営環境を見ながら柔軟に見直す姿勢が重要です。
たとえば利益が想定より減少していれば報酬を一時的に抑えることも検討すべきですし、逆に好調な場合には賞与や成果報酬などを活用して報いる方法も考えられます。経営者の報酬設計は、会社の持続的成長と連動させるべきものであり、短期的な利得にとらわれず、全体最適を目指す姿勢が求められます。